庭の池を埋める費用の内訳|水と配管、埋め戻し材

庭の池を埋めるといくらかかるのか。総額だけを調べても、実際に届く見積書とは噛み合いません。
結論から書くと、家庭用の庭池なら総額5万〜30万円が中心の幅で、金額を動かすのは水と底泥の処理、配管、廃材の量、埋め戻し材の量の4つです。単価の目安は、取り壊しが1㎡あたり1万5,000〜3万円、埋め戻し材が2,000〜5,000円です。
この記事の目次
総額の幅と、金額を動かす4つの変数
総額は5万円から30万円程度が中心の幅です。造園会社NIWARTは1〜3㎡の小規模な池で5万〜10万円、庭の大部分を占める池で15万〜30万円以上とし、解体業者側では20万円前後を平均に置く例が目立ちます。構造別の目安では、小型の防水シート池で5万〜10万円、5㎡程度のコンクリート池で10万〜20万円、石組みなら15万〜30万円、10㎡超の大型で30万〜60万円という区分もあります(2026年7月31日確認)。
金額を動かすのは次の4つです。
- 構造:防水シートか、コンクリートか、石組みか。鉄筋が入っているかどうかで解体の手間が変わる
- 面積と深さ:取り壊しは面積(㎡)、埋め戻しは体積(㎥)で効く。深い池は面積が同じでも高くなる
- 重機が入るか:進入できなければ手壊しになり、人件費と日数が伸びる
- 跡地をどこまで仕上げるか:土をならすだけか、砕石を敷くか、駐車場として舗装するか
工期は、重機が入る一般的な庭池なら即日から2日程度とする業者が多く、構造が複雑な池や手壊しの現場では1〜2週間を見込む案内もあります。
見積書の行ごとに見る費用の内訳
池を埋める工事の見積書は、おおむね下の項目で構成されます。単価は公開されている相場情報を集めたもので、地域と現場条件で動きます(2026年7月31日確認)。
| 項目 | 単価・金額の目安 | 見積書で確認すること |
|---|---|---|
| 水抜き・清掃 | 一式(数千円〜数万円) | 底泥(ヘドロ)の処分が含まれるか |
| 池本体の取り壊し | 1㎡あたり1万5,000〜3万円 坪単価表記なら1万5,000〜3万円/坪 | 単位が㎡か坪か。石組みは割高になる |
| 廃材(コンクリートがら)処分 | 量に応じた実費 | 処分先とマニフェストの有無 |
| 埋め戻し材+運搬 | 2,000〜5,000円(1㎥または1㎡) | 単位が㎥か㎡か。材の種類(真砂土・山砂・砕石) |
| 残土処分 | 1㎥あたり8,000円前後 少量(1〜10㎥)は8,000〜1万3,000円 | そもそも残土が出る想定か |
| 整地・仕上げ | 粗仕上げ300〜600円/㎡ 砕石舗装3,000〜4,000円/㎡ 真砂土舗装3,000〜7,000円/㎡ アスファルト舗装4,000〜6,000円/㎡ | どこまでの仕上げが含まれるか |
| 重機回送費 | 現場条件による | 重機が入る前提の金額かどうか |
| 諸経費 | 工事金額に対する割合 | 何が諸経費に丸められているか |
戸建住宅の庭なら10万円前後から、という書き方をする業者もあります。この10万円前後は取り壊しだけを指していることがあり、埋め戻し材と整地が別行で乗ると総額は倍近くになります。
1㎡あたり2,000〜5,000円と書く業者と、1㎥あたりと書く業者の両方があり、深さ1mの池なら数量がそのまま変わります。埋戻土 2,000円 × 15 とだけ並んでいたら、その15が㎡なのか㎥なのかを聞いてください。池撤去工事一式 200,000円の一行だけの見積書は、他社と比較する材料になりません。
水・底泥・配管の処理(最初に出る見えない費用)
水抜きと生き物の移動
ポンプで水を排出し、近くの排水口や下水設備へ流します。水量が多いとポンプの手配が別費用になります。錦鯉や金魚、カメがいる場合は、移動先の確保に数週間から数か月の余裕を見ておくよう案内している専門サイトもあります。
底泥(ヘドロ)が単価を跳ね上げることがある
底に溜まった泥を残したまま埋め戻すと、あとで確実に沈みます。水分を多く含み形を保てない土は建設汚泥として産業廃棄物に分類され、固化処理や脱水処理が必要になるぶん単価が上がります。通常の残土処分が1㎥あたり8,000円前後なのに対し、埋設物やガラが混じった残土は1㎥あたり2万円、選別不能な状態では4万円という見積書の例が公開されています。
給排水管とオーバーフロー管
池には給水管、ろ過設備、満水時に水を逃がすオーバーフロー管がつながっていることがあります。止水せずに埋めると、土の中に水が入り続けます。雨樋が接続されている家もあり、その場合は樋の切り回しが追加になります。
池本体の解体と、廃材をどこへ出すか
コンクリート製の池は、はつり機で少しずつ砕きます。
全部を撤去せず上部だけを解体し、底は穴を開けたうえで埋め戻す工法もあります。費用は下がりますが、地中にコンクリートが残ります。売却の予定があるなら、事前に確認しておく項目です。
敷地内に埋めて処分することはできない
解体で出たコンクリートがらは産業廃棄物です。廃棄物処理法は何人もみだりに廃棄物を捨ててはならないとして投棄を禁止し、東京都環境局はこれを同法で最も重い罰則と説明しています。不法投棄には5年以下の懲役または1,000万円以下の罰金(法人には3億円まで加重)が定められています(2026年7月31日確認)。
廃材処分の行に数量が入っているか、マニフェスト(産業廃棄物管理票)の写しを出せるかを契約前に確認してください。
埋め戻し材と転圧で、数年後の地面が決まる
埋め戻しに使われるのは真砂土や山砂が中心です。
費用と品質が分かれるのは転圧です。層ごとに入れては機械で踏み固めるのが本来の手順で、省くと工事直後はきれいでも数か月後にくぼみができます。
5㎡で平均の深さ0.6mの池なら約3㎥。1㎥あたり2,000〜5,000円なら、材料そのものは6,000〜1万5,000円です。総額20万円の見積もりのうち埋め戻し材はこの程度で、残りは解体、廃材処分、運搬、人件費、整地に配分されます。
削ってはいけないのは、底泥の除去、排水経路の確保、層ごとの転圧の3つです。省いた工事は、数年後に同じ場所をもう一度掘り返す費用として返ってきます。
跡地の用途で変わる仕上げの費用
粗仕上げ(土をならすだけ)で止めるか、真砂土や砕石を敷いて庭として使うか、アスファルトで駐車スペースにするか。単価は前章の表の整地・仕上げの行のとおりで、粗仕上げと舗装では1㎡あたり10倍前後の開きがあります。
駐車場やウッドデッキの基礎にする場合は、地盤改良や追加工事が上乗せされます。池だった場所は周囲より地盤が緩んでいる前提で考えたほうが安全です。
あとから駐車場にすると言うと、埋め戻しからやり直しになることがあります。
池と一緒に出てくる費用(庭石・庭木・灯籠)
池だけを埋めても庭として中途半端になるため同時に撤去を依頼することが多く、その分が見積書に加わります。
- 庭石の処分:1kgあたり30〜40円程度が相場。最低でも2万〜3万円かかることが多いとされます。クレーンなどの重機使用や、運び出しのトラックまでの距離が遠い場合は追加料金が発生します
- 庭木の撤去:低木(3m未満)3,000円〜、高木(5m以上)2万3,000〜2万5,000円前後
- 灯籠の撤去:関東一円で1kgあたり30〜45円、1基あたり5,000円以内という目安
- 物置の撤去:サイズにより1万5,000〜2万6,000円程度
池の撤去とまとめて依頼すると工事費用を一部割り引く業者もあります。庭全体の費用感は庭じまいの費用と手順|庭をまるごと片付けるで扱っています。
費用が跳ねる条件と、下げられる部分
同じ広さの池でも、次の条件が重なると金額は上振れします。
- 重機が進入できず手壊しになる
- 鉄筋コンクリート造や石組みで、躯体が頑丈
- 底泥が多く、建設汚泥として処分せざるを得ない
- 渡り橋、灯籠、大きな庭石が付随している
- 跡地を駐車場として舗装する
- ろ過設備や配管が複数系統ある
生き物の移動、ゴミや落ち葉の除去、あらかじめの水抜きは、事前にやれば作業日数が減ります。
業種の違う2〜3社から、数量と単位が入った内訳で取ってください。
数量入りの内訳で比べる
池の撤去は、業者によって取り壊しの単位(㎡・坪)も埋め戻し材の単位(㎡・㎥)も揃っていません。同じ条件を複数社に投げて、内訳の書き方ごと見比べるのが一番早い方法です。
無料で解体費用を比べるどこに頼むか、資格をどう確認するか
請け負うのは解体工事業者、造園業者、外構・エクステリア業者のいずれかです。コンクリートの撤去と地盤の締め固めが中心なので、解体工事業者に依頼するのが一般的とされています。
解体工事業の登録を確認する
建設リサイクル法により、建築物等の解体工事を業として営む者は都道府県知事の登録を受ける必要があります。広島県の案内では、土木工事業・建築工事業・解体工事業のいずれの建設業許可も取得していない事業者はすべて登録の対象で、請け負う金額の多少や元請・下請の区別は関係ないとされています。1件500万円を超える解体工事のみを請け負う場合は、登録ではなく建設業の許可が必要です(同ページは2026年7月8日更新、2026年7月31日確認)。
数万円から数十万円の工事でも登録は必要です。名刺やサイトに登録番号があるかを確認してください。
建設リサイクル法の届出が要るかどうか
発注者側に届出義務が生じるのは一定規模以上の工事です。国土交通省の建設リサイクル法質疑応答集では、建築物の解体は床面積の合計で80㎡以上、工作物の解体は請負金額500万円以上が対象とされています(2026年7月31日確認)。庭の池だけなら通常この規模に届きませんが、母屋の解体と同時なら工事全体で判断されます。
お祓いと息抜き(費用に入るか、自分で手配するか)
水神様への配慮として工事前に神事を入れるケースがあり、業者が神職の手配を案内している場合もあります。玉串料は神社によって考え方が異なるため、金額は依頼先の神社に直接確認してください。
これとは別に、工事上の手順として息抜きがあります。池の底がコンクリートで密閉されていると、そのまま埋め戻した地中に水や空気が溜まり、地盤沈下や浮き上がりの原因になります。コンクリートに穴を開けて抜け道を確保し、埋め戻しの途中でパイプを立ててガスを抜きます。慣習として語られることもありますが、排水と沈下防止という技術的な理由が先にあります。
見積書に息抜きの行が無い場合は、どの工程に含まれているかを聞いてください。
実家を売る予定があるなら、記録を残しておく
地中に残したコンクリートは地中埋設物として扱われます。土地の売買や新築の際に見つかると、撤去費用の負担や責任の所在が争点になります。池の底を残す工法を選んだ場合はまさに該当するので、次の資料を残しておく価値があります。
- 工事前・解体中・埋め戻し途中の写真(地中の状態が後から確認できる)
- 数量と単位が入った見積書と請求書
- 廃材を処分した際のマニフェストの写し
- どこまで撤去し、何を地中に残したかを業者に書いてもらったメモ
見積もりを取る前にそろえておく情報
これだけ手元にあると、現地調査の前におおよその金額感が返ってきます。
- 池の外寸と深さ:メジャーで測った概算で構いません
- 跡地の用途:土のまま、庭、物置、駐車場のどれか
問い合わせるときは、池じまいをしたいとだけ伝えず、どこまでの工事を希望するのかを説明してください。水抜きから埋め戻しまでを指すのか、跡地の仕上げまで含むのかで、返ってくる金額はまったく違います。
埋める前に確認しておきたい点や、埋めるか残すかの判断材料は庭の池を埋める費用と、埋める前に必要な確認にまとめています。
