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実家じまいの費用は総額いくら?項目別の内訳と削れる順番

実家じまいの費用は総額いくら?項目別の内訳と削れる順番

実家じまいの費用は、片付けだけで済むのか建物を壊すのかで、総額が数倍変わります。

片付けと現況のまま売る組み合わせなら100〜200万円程度、解体して更地にするなら150〜400万円程度が目安です。費用を9つのブロックに分け、削れる順番と削ってはいけない支出まで並べます。

この記事の目次
  1. 総額はこの3パターンのどれかでほぼ決まる
  2. 費用を9つのブロックに分ける
  3. 片付け・遺品整理は間取りより荷物の量で決まる
  4. 解体費用で差がつくのは本体工事ではない
  5. 解体の補助金は出るが、片付け費用は見てくれない
  6. 名義の手続きは義務化されていて、後回しが一番高い
  7. 売るときの費用は上限が決まっている(安い実家ほど注意)
  8. 税金は要件に当たるかどうかで額が跳ねる
  9. 保有し続ける費用と、更地にした翌年の税
  10. この費用は誰が払うのか
  11. 削れる順番と、削ってはいけない支出

総額はこの3パターンのどれかでほぼ決まる

パターン総額の目安主な内訳
片付けだけ(建物は残して保有)約20〜80万円片付け・処分、簡易清掃、名義の手続き
片付け+現況のまま売る約100〜200万円上記+仲介手数料、印紙税、必要なら測量
片付け+解体して更地で売る約150〜400万円上記+解体、付帯物の撤去、更地化後の固定資産税

幅は各メディアの公表値を並べたものです(GMO不動産査定お清め不動産。2026年7月30日確認)。広いのは、荷物の量、建物の構造と延床面積、現地までの距離がすべて金額に効くためです。

費用を9つのブロックに分ける

ブロック払う相手額の決まり方
1. 片付け・遺品整理不用品回収業者、遺品整理業者見積もり(交渉できる)
2. 清掃・簡易補修清掃業者見積もり
3. 建物の解体解体業者見積もり
4. 付帯物の撤去(塀・門・庭木・カーポート・物置・浄化槽)解体業者、造園業者見積もり(別建てになりやすい)
5. 仏壇・神棚の閉眼供養と搬出寺院、運搬業者寺院ごと、業者ごと
6. 墓じまいと改葬石材店、新しい供養先、市区町村石材店ごと、供養先ごと
7. 名義の手続き(相続登記、必要なら測量)法務局、司法書士、土地家屋調査士法定+報酬
8. 売却の諸費用(仲介手数料、印紙税)不動産会社、国上限が法令で決まっている
9. 税金(相続税、譲渡所得税、固定資産税・都市計画税)国、市区町村要件に当たるかで決まる

片付け・遺品整理は間取りより荷物の量で決まる

遺品整理業者の比較サイトの掲載料金表では、1R・1Kで約3万〜8万円、2LDKで約12万〜30万円、3LDKで約17万〜50万円、4LDK以上で約22万〜60万円です(みんなの遺品整理。2026年7月30日確認)。

  • 2階からの搬出で人員追加や吊り下げが必要になる
  • 敷地の前に車を付けられず、手運び(横持ち)の距離が出る
  • テレビ・冷蔵庫・洗濯機・エアコンは、リサイクル料金が別に立つのが一般的
  • 仏壇、金庫、ピアノ、屋外の物置は別料金になりやすい
  • 畳や襖の処分、エアコンや照明の取り外し

削り方は2つ。買取を併せてやる業者を選んで処分費と相殺すること。貴重品と書類の捜索だけ先に自分でやり、残りを一括で任せること。権利証、通帳、保険証券、年金関係の書類は、一括処分の後では戻りません。間取り別の内訳は遺品整理の費用相場|間取り別の目安と追加料金の内訳にあります。

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解体費用で差がつくのは本体工事ではない

木造30坪クラスの解体は約90万〜150万円、鉄骨造で約120万〜180万円、鉄筋コンクリート造で約150万〜240万円が目安です(お清め不動産の公表値。2026年7月30日確認)。相見積もりで開くのは、本体工事より次の項目です。

  • 残置物の処理。家財を残したまま頼むと、解体業者の産業廃棄物処理の単価で計算される
  • ブロック塀、門柱、庭木、カーポート、物置、浄化槽の撤去
  • 重機が入れるかどうか。前面道路の幅、養生の条件、近隣への配慮
  • アスベストの調査費用と、含まれていた場合の除去
  • 地中埋設物(古い基礎、井戸、使われていない浄化槽)が掘り出されたときの追加

坪単価の見方は空き家の解体費用の相場|坪単価と追加費用の内訳にあります。

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解体の補助金は出るが、片付け費用は見てくれない

補助金は多くの市区町村にありますが、要綱を読むと期待とずれる点が共通します(3市とも2026年7月30日確認)。

自治体補助額条件と対象外
宇都宮市(老朽危険空き家除却費補助金)除却に要した額と「延べ床面積×11,000円」の低い額の3分の2で、上限は約70万円昭和56年5月31日以前の建築などの要件と、所得の要件がある。先に事前調査申請が必要(同市ページは令和8年4月1日更新)
下関市(危険家屋の解体費補助)補助対象経費の2分の1で上限は約40万円(重点対象地区は約60万円)塀や樹木などの付属物の撤去費用、家財の処分費用等は対象外。募集は15件程度で、応募多数なら抽選
長野市(老朽危険空き家の解体工事補助金)国が定める除却工事費を基準にした額、補助対象経費に一定率を掛けた額、限度額の3つのうち最も少ない額家財や残置物等の処理費、跡地整備費は対象外。令和8年度は予算上限に達して受付を終了

交付決定より前に契約や着工をすると対象外になる自治体があるため、契約前に窓口へ行きます。

宇都宮市の案内には「空き家を解体し更地にした場合、当該土地の住宅用地特例(固定資産税等の減税措置)が適用されなくなることも含め、同意を得てください」という注記もあります(宇都宮市の同ページ)。補助を出す側が、翌年から土地の税が上がることを先に告知しています。

名義の手続きは義務化されていて、後回しが一番高い

2024年(令和6年)4月1日から、相続で不動産を取得したことを知った日から3年以内の相続登記が義務です。正当な理由がないのに怠ると10万円以下の過料の対象で、令和6年4月1日より前に相続していた分は令和9年3月31日までが期限です(法務省「相続登記の申請義務化について」。2026年7月30日確認)。3年以内に遺産分割がまとまらないときは、相続人申告登記を単独で申し出れば義務を履行したとみなされますが、遺産分割成立後の追加的な義務はこれでは果たせません。

費用は登録免許税と司法書士報酬です。相続による所有権移転の登録免許税は固定資産税評価額の1000分の4(国税庁 No.7191)。価額100万円以下の土地に係る相続登記には、令和9年3月31日までの免税措置があります。

土地だけが残って売れない場合の出口が相続土地国庫帰属制度です。審査手数料は土地一筆あたり14,000円を収入印紙で納付し(法務省「相続土地国庫帰属制度の概要」)、加えて負担金が、国有地の種目ごとに管理に要する10年分の標準的な費用を考慮して算定されます(法務省「同・負担金」)。

売るときの費用は上限が決まっている(安い実家ほど注意)

仲介手数料の上限は国土交通大臣の告示で決まっています。取引額200万円以下の部分は5.5%、200万円超400万円以下の部分は4.4%、400万円超の部分は3.3%(税込)を段階的に乗じた合計が上限です(国土交通省「不動産取引に関するお知らせ」。2026年7月30日確認)。

実家じまいで効くのは令和6年7月1日からの特例です。物件価格が800万円以下の低廉な空家等は、原則の上限を超えて30万円の1.1倍まで報酬を受領できます。売主と買主の双方から受け取ることも想定され、媒介契約の締結に際してあらかじめ報酬額を説明し合意することが必要です(国土交通省「空き家等に係る媒介報酬規制の見直し」)。地方の安い実家では、約300万円で売れても手数料が約33万円になり得ます。媒介契約を結ぶ前に、報酬額が契約書のどこにあるかを確認します。

印紙税には軽減措置があり、令和9年3月31日までに作成される不動産譲渡契約書は、契約金額500万円超1,000万円以下で5,000円、1,000万円超5,000万円以下で10,000円です(国税庁 No.7108)。境界が不明なら測量費が別に立ちます。更地と現況の比較は実家を売る手順と相場の調べ方|更地と現状の比較にあります。

税金は要件に当たるかどうかで額が跳ねる

相続税は、遺産の総額が基礎控除を超えるかどうかで決まります。基礎控除額は3,000万円+600万円×法定相続人の数(国税庁 No.4152。2026年7月30日確認)。超えない家では、この行はゼロです。

譲渡所得税は、譲渡した年の1月1日時点の所有期間で税率が変わります。5年超なら所得税15%・住民税5%、5年以下なら所得税30%・住民税9%。令和19年分までは復興特別所得税として基準所得税額の2.1%が加わります(国税庁 No.3208No.3211)。ここで効くのが空き家の3,000万円特別控除で、要件が重く期限が二重にかかります(国税庁 No.3306)。

  • 家屋が昭和56年5月31日以前に建築されたものであること
  • 平成28年4月1日から令和9年12月31日までの間に売ること
  • 相続の開始があった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること
  • 売却代金が1億円以下であること
  • 一定の耐震基準を満たすか取り壊すのを、譲渡の日の属する年の翌年2月15日までに終えること
  • 令和6年1月1日以後の譲渡で相続人が3人以上なら、控除額は2,000万円

相続から3年の壁と、制度の適用期限である令和9年12月31日の壁は別に立っています。

保有し続ける費用と、更地にした翌年の税

住宅が建っている土地には住宅用地特例があります。200平方メートル以下の部分は固定資産税の課税標準が価格の6分の1、都市計画税は3分の1。超える部分は固定資産税が3分の1、都市計画税が3分の2。標準税率は固定資産税1.4%、都市計画税0.3%です(東京都主税局。2026年7月30日確認)。

解体して更地にすると、この特例は外れます。解体費用を払った翌年から土地の税額が上がる順番です。放置した場合も同じで、令和5年12月13日施行の改正空家法により、管理不全空家等として市区町村長から勧告を受けた敷地は特例の適用対象から除外されます(国土交通省「空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律について」同・固定資産税等の住宅用地特例に係る空き家対策上の措置)。壊しても放置しても、軽減は外れる方向にしか動きません。

実家じまいナビ編集部 実家じまいナビ編集部の実体験

固定資産税は毎年出ていく。判断の分母をそこに置いた

編集部は沖縄の傾斜地を相続して保有しています。売却、寄付、国庫帰属と出口を順に検証しましたが、どれも成立せず、固定資産税の年約7万円が毎年出ていきます。だから費用は総額の大小ではなく、あと何年払うかで見ます。片付けと解体で約200万円かかっても、年約7万円が止まるなら30年分に近い支出を1回で終わらせる話です。逆に、更地にしても売れる見込みがないなら、約200万円を払ったうえで税が上がるほうへ進むことになります。

全体の順番は実家じまいとは?進め方と費用の全体像を7ステップで解説で通して見られます。

この費用は誰が払うのか

  • 相続人の誰かが立て替える。最も多い形で、後の精算を前提にする
  • 相続財産の預貯金から出す。相続人の合意と金融機関の手続きが前提になる
  • 売却代金から精算する。解体を売買の条件にして、決済のときに清算する組み方もある
  1. 誰が立て替え、どの費用を精算対象にするかを、着手前に文字にして共有する。口約束は精算のときに残らない
  2. 見積書と領収書は立替者の宛名で全部残す。現金払いを避け、振込の記録を作る

削れる順番と、削ってはいけない支出

  1. 相見積もりを3社以上、同じ条件で取る。現地調査をしていない概算は比較の材料にならない
  2. 解体するかどうかは、売却の見込みと更地化後の税負担で決める。解体してから売れないのが一番重い
  3. 相続登記の3年と特別控除の3年を、仏壇や墓の整理より先に動かす
  4. 遠方の往復回数を減らす。交通費と宿泊費は見積書に出てこない費用で、回数がそのまま積み上がる

現況のまま買い取ってもらえれば解体費が要りません。補助金は工事完了後の精算払いが基本のため、立て替える資金は要ります。

撤去工事と新しい供養先の費用は墓じまいの費用は総額いくら?撤去と供養の内訳で分けています。

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実家じまいナビ編集部

実家じまいナビ編集部 |沖縄に売れない土地を持つ当事者が運営

実家じまいナビ編集部です。運営者自身が沖縄に売れない土地を相続し、出口が見つからないまま維持している当事者です。役所と業者を回って分かった順番、実際にかかる費用、先に知っておけば防げたことを記録しています。法令の解釈が必要な部分は断定せず、調べ方と相談先を示す方針です。

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