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墓じまいの石材店の選び方|見積もりで見る項目

墓じまいの石材店の選び方|見積もりで見る項目

石材店に見積を頼んでも、返ってきた金額が高いのか安いのか判断できない。

比べる前に決まるのは、その墓地で石材店を選べるかどうかだ。公営墓地は届出をすれば自由、民営霊園と寺院墓地は指定があって相見積もりが取れないことが多い。選べないときは総額ではなく、登録と許可の番号、それと見積書の行で読む。

この記事の目次
  1. 頼む相手は3通りある。誰が元請になるかで責任の置き場所が変わる
  2. 選べるかどうかは、探し始める前に墓地の側で決まっている
  3. 1社しか使えないとき、相見積もりの代わりに残る4つの手
  4. 石材店は、名前ではなく番号で照合できる
  5. 見積を頼む前に、範囲と単位を自分で決めておく
  6. 見積書は、金額以外の6行で読む
  7. 撤去した石の行き先は、責任の置き場所ごと確認する
  8. 見積に載らない支払いが、別の窓口に3つある

頼む相手は3通りある。誰が元請になるかで責任の置き場所が変わる

墓じまいの工事を頼む先は3通りある。地域の石材店へ直接、窓口業者や一括見積を経由、墓地の管理者からの紹介。

環境省の建設廃棄物処理指針は、建設工事における排出事業者を、発注者から直接建設工事を請け負った者(元請業者)としている(平成22年度版、2026年7月30日確認)。墓石の撤去も工作物の解体で建設工事に当たる。窓口業者を通すと、元請がその業者か現場に入る石材店かで、廃棄物の処理責任を負う相手が変わる。

任せる範囲を決めないと、集めた見積が揃わない

石材店に頼める作業は4つに分かれる。

  • 墓石と外柵の解体撤去、掘削、墓所を戻す整地
  • 遺骨の取り出しと、次の場所へ移すまでの扱い
  • 改葬許可申請などの書類の準備と提出
  • 新しい行き先の紹介と、納骨までの手配

矢田石材店(愛知県岡崎市)の手続き代行は、セルフプラン0円、手続き支援プラン66,000円、完全代行プラン165,000円(いずれも税込、2026年7月30日確認)。

墓地の名義も先に見ておく。神戸市立墓園では施工届書を出して工事ができるのは使用者だけで、使用者が亡くなっている場合は先に使用権の承継手続きが必要とされている(2026年7月30日確認)。

選べるかどうかは、探し始める前に墓地の側で決まっている

経営主体で扱いが分かれる。

墓地の種類石材店の扱い
公営墓地(都道府県・市町村)指定はなく自由に選べる。ただし工事の届出や許可、工事制限期間などの規則がある
民営霊園開発に関わった石材店に工事の権利がある形が多く、指定石材店以外は入れないのが一般的
寺院墓地長く出入りしている石材店が決まっていることがある。住職の同意があれば他社に頼める場合もある

江別市営墓地では施工の5日前までに墓碑等工事施工届を出し、盆と彼岸には工事制限期間がある(令和3年2月改定)。松山市営墓地の完成届には施工前・施工中・施工後の写真が要る(いずれも2026年7月30日確認)。

寺院墓地について大塚法務行政書士事務所は、住職の同意が得られれば希望の石材店に依頼することも可能だが、同意が得られない場合は寺院の指定する石材店に依頼するほうが墓じまいの停滞を避けられるとしている(2026年7月30日確認)。

相談者相談者
寺の墓地です。指定があるかどうかは、どう聞けばいいのでしょうか。
実家じまいナビ編集部実家じまいナビ編集部
3つに分けて聞きます。指定があるか。指定は墓石を建てるときだけか、撤去工事も含むか。含む場合、指定外の石材店を入れる手続きはあるか。

1社しか使えないとき、相見積もりの代わりに残る4つの手

残るのは、その1社の見積を読み切る作業になる。

  1. 工事一式ではなく行の内訳で出してもらう。解体、掘削、運搬、処分、整地が別の行なら、増えた金額がどこに乗ったのか照合できる
  2. 撤去した石の処分先の名称と、その業者の許可番号を書いてもらう
  3. 追加費用が発生する条件と上限を書面に残す。地下の基礎が想定より深かった場合の扱いを紙で確認する
  4. 支払いの時期を確認する。完了の確認より前に全額を払う形になっていないか

墓石を建てる工事だけを指定していて撤去は他社でよい、という墓地もある。指定の根拠と範囲を紙で示してもらえるかを聞くと、口伝えの慣習と規則の区別がつく。指定の仕組みが独占禁止法に触れるかどうかは編集部が判断する事柄ではなく、離檀料や指定の妥当性を争うなら弁護士、勧誘や契約の仕方なら消費生活センターになる。

石材店は、名前ではなく番号で照合できる

工事を請け負うための登録や許可と、知識を認定する民間資格は別のものだ。

名称出すところ何を示すか
解体工事業の登録都道府県知事建設リサイクル法に基づく登録。土木・建築・解体のいずれの建設業許可も持たない業者が解体工事を営むときに必要
建設業許可(解体工事業)国土交通大臣または都道府県知事一定額以上の工事を請け負う資格。29業種に分かれ、有効期間は5年
産業廃棄物処理業の許可都道府県・政令市廃棄物の収集運搬や処分を業として行える資格。許可情報は公表されている
お墓ディレクター一般社団法人日本石材産業協会墓の知識を認定する民間資格。1級と2級があり、5年ごとの更新

建設業許可が無いこと自体は違反ではない。国土交通省は、建設工事の請負には建設業法第3条の許可が必要としながら、軽微な建設工事のみなら不要とし、建築一式工事以外では工事1件の請負代金500万円未満がこれに当たるとしている(2026年7月30日確認)。墓石の撤去はこの金額に収まることが多い。

代わりに見るのが解体工事業の登録だ。千葉県は、上記3業種の建設業許可が無い場合は解体工事業の登録が必要で、請け負えるのは請負代金500万円未満(税込み)に限られるとし、登録業者の一覧を毎月一度更新して公表している(2026年7月30日確認)。同じ名簿は各都道府県が持つ。見積書の会社名を引き、無ければ元請か下請けかを聞く。

産業廃棄物のほうは産廃情報ネットの行政情報検索システムで引ける。廃棄物処理法第14条および第14条の4に規定する産業廃棄物処理業者の情報を、都道府県・政令市から集めて公表している(データ更新日2026年7月29日)。

見積を頼む前に、範囲と単位を自分で決めておく

複数社から見積が届いても揃わないのは、単位が違うからだ。全国優良石材店の会(全優石)は、見積金額の単位は地域によって異なり、墓地の広さ(1平方メートルあたり)で提示されるのが一般的としながら、工事一式、墓の大きさ(切数や体積、重量)、石塔の本数で提示する場合もあるとしている(2026年7月30日確認)。

提示の型公表されている例
1平方メートルあたりの相場撤去して更地に戻すまでで1平方メートルあたり10万円から15万円程度(北陸3県の目安・山岡石材店)
自社の面積単価1平方メートルあたり税別5万円から(税込55,000円から。武蔵石材店・東京都)
サイズ区分の定額工事費はSが132,000円、Mが264,000円、Lが396,000円(いずれも税込・矢田石材店)
重量あたり石のリサイクル費が1トンあたり16,500円(税込・矢田石材店)

単位が違えば、安いほうが範囲を狭く取っているだけということが起きる。武蔵石材店の公表事例では、4平方メートルの墓じまいと合祀墓への改葬で、撤去費用32万円、閉眼供養3万円、合祀墓1名5万円の合計40万円程度(2026年7月30日確認)。行き先まで含めた総額は別の桁になる。

揃える一番早い方法は、同じ紙を全社へ配ることだ。

  • 墓地の名称と区画番号、区画の面積
  • 墓所までの経路(階段の有無、道幅、重機が入るか分からないなら分からないと書く)
  • 撤去の範囲(外柵、地下のカロート、基礎、砂利まで含むか)
  • 遺骨の体数と、取り出しを依頼するかどうか
  • 書類の代行を依頼するかどうか
  • 希望する見積の単位(面積単価か、行の内訳か)
  • 希望の時期と、当日に立ち会えるかどうか

撤去の範囲は自分では決められないので、先に管理者へ聞いてから書く。金額が面積と搬出経路でどう動くかは墓石の撤去費用の相場、行き先を足した総額は墓じまいの費用の内訳に分けてある。

選べる墓地なら、条件を揃えて並べる

墓石の撤去と新しい供養先の費用を、地域の石材店から一括で比べられます。範囲と面積を先に決めてから依頼すると、揃った条件での比較になります。

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見積書は、金額以外の6行で読む

見積書を金額の紙ではなく契約条件の紙として見ると、確認する場所が6つ出てくる。

  • 見積の有効期限。いつまでこの金額なのか
  • 追加費用が出る条件と、その上限
  • 支払いの時期と着手金の割合
  • 完了後に受け取るもの(完了写真、処分の報告、返還届に添える書類)
  • 工期と、工事ができない日(管理者が定める工事制限期間や休工日)
  • 撤去した石の処分先の名称

武蔵石材店は、事前に見積をするので見積後の追加費用はないと明記し、来店しなくても電話やメール、郵送で対応でき、完了の連絡には作業内容が確認できる写真や書類を送るとしている(2026年7月30日確認)。遠方で立ち会えないなら、この段取りまでを条件に入れる。

松山市営墓地の完成届が施工前・施工中・施工後の写真を求めているように、墓所を管理者へ返す手続きの資料になる。誰が撮って誰が出すのかを決めないと、返還の段で止まる。

撤去した石の行き先は、責任の置き場所ごと確認する

撤去した墓石は、手元に残す分を除けば産業廃棄物として処理される。処理の責任は元請業者にあり、依頼した側が処分の責任者になるわけではない。

ただし神戸市は市立墓園の案内で、施工届書には残土や廃石材等の処分についても記載が必要としたうえで、不適正な処分を工事請負人が行った場合には、廃棄物処理法に基づき工事を依頼した方まで責任が及ぶ場合があるので十分に注意するように、と書いている(2026年7月30日確認)。

確かめるのは処分先の名称と許可番号の2つでいい。書面に載れば産廃情報ネットと突き合わせられる。

環境省の指針は、排出事業者が処理を他人に委託する場合、委託契約を書面で結ぶ委託基準とマニフェスト(産業廃棄物管理票)の交付義務を定めている。交付義務があるのは元請業者で、依頼した側に写しを受け取る権利は無い。報告として見せてもらえるかは契約の前に聞ける。

矢田石材店は愛知県石材リサイクルセンターを通じて墓石を破砕し路盤材として再資源化する仕組みを示し、リサイクル費を1トンあたり16,500円(税込)として見積の独立した行に置いている(2026年7月30日確認)。

見積に載らない支払いが、別の窓口に3つある

工事費のほかに、見積書へ出てこない支払いがある。払う先は寺、役所、新しい行き先の3つだ。

全優石は、墓じまいに併せて発生する費用として、出骨の費用(数万円程度)、閉眼供養のお布施(数万円程度)、離檀にかかる費用、証明書類の発行費(数百円から数千円程度)、遺骨の移送と新しい墓地の永代使用料を挙げている(2026年7月30日確認)。閉眼供養は山岡石材店が北陸3県の目安として3万円から10万円、遺骨の取り出し作業料を3万円から5万円と公表している。

出骨だけは石材店の見積に入ることも寺の側に付くこともあるので、見積の行で確かめると二重に数えていないかが分かる。全体の順番は墓じまいとは何かに置いてある。

依頼先を決めるまでの順番

  1. 墓地の名義を確認する。故人のままなら承継の手続きが先になる
  2. 管理者に、指定があるか、指定は撤去工事も含むか、更地に戻す範囲はどこまでかを確認する
  3. 任せる範囲を決める(工事だけか、遺骨の取り出しまでか、書類と納骨までか)
  4. 同じ依頼文を全社へ配って見積を取る。1社しか使えない場合は行の内訳で出してもらう
  5. 会社名を解体工事業登録の名簿と産廃情報ネットで引き、処分先の名称と許可番号を書面でもらう
  6. 追加費用の条件と上限、支払いの時期、完了時に受け取るものを決めてから契約する

2を飛ばすと、指定のある墓地では集めた見積が使えない。本文の数値は2026年7月30日に各社と官公庁の公表資料で確認した。

範囲が決まったら、金額を比べる

墓石の撤去と新しい供養先の費用を、地域の石材店から一括で比べられます。範囲と面積が決まってからの利用なら、比較だけでも意味のある数字が並びます。

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実家じまいナビ編集部

実家じまいナビ編集部 |沖縄に売れない土地を持つ当事者が運営

実家じまいナビ編集部です。運営者自身が沖縄に売れない土地を相続し、出口が見つからないまま維持している当事者です。役所と業者を回って分かった順番、実際にかかる費用、先に知っておけば防げたことを記録しています。法令の解釈が必要な部分は断定せず、調べ方と相談先を示す方針です。

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